車のフロントガラスが割れても鋭利にならない理由

映画などで車のガラスが粉々に割れるシーンを見たことがあると思います。
普通のガラスと違う割れかたをしているのは、何故なのでしょうか?
ここでは自動車に使用されているガラスについて紹介していきたいと思います。
フロントガラスの素材について

車のフロントガラスの素材は「合わせガラス」と言い、2枚のガラスとの中間に「ポリビニールブチラール」というものを挟み、3層で成り立っています。
この中間膜のおかげでガラスが割れたとしても、破片が飛び散らず鋭利にならないのです。
こういったガラスというのは運転手もしくは道を歩いている人の安全を考慮し、車の正面のガラスに設置するように法律で法制化されています。
もしフロントガラスに何かがぶつかるようなことがあっても、中間膜のおかげで普通のガラスのように飛び散ったり崩れ落ちたりしないので、視界を確保しながら安全に走行を続けることができます。
万が一にもトラブルが発生した時に、身体ガラスにヒットしても正面のガラスの中間層が緩和・吸収するため事故の衝撃を最小限に抑えてくれます。
その上、ガラスが割れた時も運転手や歩いている人にガラスの破片が刺さる危険性も軽減する事が可能ですし、ガラスを破って身体が車両の外に投げ出される事を抑制します。
その他の部分のガラスの素材は

合わせガラスが採用されている部分は自動車の正面ガラスだけになり、横・後ろのガラス等には強化ガラスが使用されます。
強化ガラスというのは、フロートガラスを700℃位まで熱を加え、空気で急冷することによって、上っ面に圧縮応力層を形成する事で強度をアップさせたものになります。
強化ガラスというのは衝撃に対する抵抗が標準的な同様の厚さのガラスの3〜5倍ありますので、激しい外気温の変動にも強く、170℃位までなら持ちこたえられる確率が高いです。
フロントガラスとの最大の違いは、強化ガラスは破ろうとすればハンマーなどで割ることができ、なおかつ破片が粉々になるので怪我をするリスクが低いということです。
合わせガラスを割ろうとしても衝撃を吸収してしまい、大きなハンマーでも破ることはほぼ不可能です。
万が一交通事故などで車の中に閉じ込められた際には、硬質な物で正面のガラスとは別のガラスを割った方が良いでしょう。
フロントガラスにヒビが入ったら

フロントガラスにヒビが入る一番の原因は、走行中に前や横の車から飛んでくる飛び石が一番多いです。
前途したように車のフロントガラスは合わせガラスになっているので、表面が割れても間にあるフィルムが守ってくれ、裏側にあるガラスにまで割れは届きません。
だからと言ってそのままヒビを放置していると、そこからどんどん広がってしまうケースがあります。
車の中と外と温度差や、運転時の衝撃で割れが広がりますし、割れたところに汚れが入ってしまうと修理が難しくなります。
正面ガラスにおいては飛び石等でヒビが入ってしまった時、できるだけ早い内にリペア工場へのお願いするのが良いでしょう。
飛び石を完全に防ぐことは難しいですが、ほかの車との車間距離を十分に取るように気をつけながら運転をすればある程度は防ぐことができます。
まとめ
私たちの身近にある車のガラス一つとってもドライバーや歩行者の安全に考慮し、特殊なガラスが使用されています。
車は非常に重宝しますが反面、危険性がある移動手段です。
気持ち良くセーフティーな走行の為にも、正面ガラスに関しての適切な知識を持っておくことが重要です。


















