網入りガラスの交換費用はいくら?現場のプロが教える相場と安く抑えるコツ
こんにちは。ガラス修理365です。

ガラス修理365 代表
この記事でわかること
- 網入りガラスの交換費用の相場と内訳
- ガラスの種類による価格差の傾向
- 交換費用を安く抑えるためのコツ
- 割れたときの安全な応急処置方法
窓ガラスに網目状のワイヤーが入っている「網入りガラス」が割れてしまい、交換費用がいくらかかるのか不安に感じている方は多いのではないでしょうか。一般的な透明ガラスと比べて特殊な構造をしているため、修理代が高額になるのではないかと心配になるお気持ちはよくわかります。私は長年、窓ガラスやサッシの交換・修理の現場に立ち続けてきました。数え切れないほどの網入りガラスを交換してきた経験から言えるのは、適正な相場を知り、適切な対処をすることで、無駄な出費やトラブルを防ぐことができるということです。この記事では、現場のプロとしての視点から、網入りガラスの交換費用のリアルな相場や内訳、さらには費用を安く抑えるための具体的なコツまでを徹底的に解説します。突然のガラス割れで焦っている方も、まずは落ち着いて本記事をお読みいただき、納得のいく修理につなげてください。
網入りガラスの交換費用の相場はいくら?現場のプロが目安を解説
網入りガラスの交換費用の相場は、一般的な90cm×90cmの窓サイズで約25,000円から40,000円程度が目安です。この費用にはガラス代、作業費、出張費、廃材処分費が含まれます。厚みや種類、足場が必要な高所作業などの設置環境によって変動するため、正確な金額は現地見積もりで確認してください。
私がお客様のお宅に到着してガラスの状況を確認すると、「網が入っているから特別なガラスで、10万円くらい取られるんじゃないかとヒヤヒヤしました」と安堵の表情を浮かべながら仰る方が非常に多いです。たしかに、網入りガラスは一般的な透明ガラス(フロートガラス)と比べると、内部に金属のワイヤーが封入されているため特殊に見えますし、実際に厚みも標準で6.8mmと分厚く、ずっしりとした重量があります。しかし、だからといって法外な費用がかかるわけではありません。ここでは、現場で実際にお客様にご提示している見積もりの内訳や、サイズごとの一般的な相場レンジについて詳しく解説していきます。網入りガラスの交換費用は、主に「①料金の内訳」「②一般的な相場レンジ」「③時期・繁忙期による変動」「④設置環境による差」の4つの要素から成り立っています。これらを理解しておくことで、業者から提示された見積もりが適正かどうかを判断する大きな助けになるはずです。
ガラス1枚あたりの交換費用の目安と内訳
網入りガラスの交換費用は、単に「ガラスの本体価格」だけで決まるわけではありません。私たちプロが現場で作業を行う際の見積もりには、必ずいくつかの項目が含まれています。主な内訳としては、以下のようになります。

- ガラス代:網入りガラス本体の価格です。サイズ(面積)が大きくなるほど高くなります。
- 施工費(作業費):既存の割れたガラスをサッシから取り外し、新しいガラスを適切なサイズにカットしてはめ込み、調整する技術料です。
- 出張費:現場まで専用の作業車で向かうための費用です。エリアによって異なりますが、3,000円〜5,000円程度が一般的です。
- 副資材費:ガラスをサッシに固定するためのグレージングチャンネル(ゴムパッキン)や、シリコンコーキング材などの費用です。劣化している場合は同時交換が必要です。
- 廃材処分費:割れた網入りガラスは危険物であり、産業廃棄物として適切に処理するための費用です。
これらを合計した総額が、お客様が最終的にお支払いする交換費用となります。以下に、一般的なサイズごとの交換費用相場をまとめました。※ここで紹介する費用はあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイトやメーカーをご確認いただき、最終的な判断は専門業者にご相談ください。
| ガラスのサイズ目安 | 総額費用の相場(目安) | よくある設置場所 |
|---|---|---|
| 90cm × 90cm以内 (腰高窓サイズ) |
25,000円 〜 40,000円 | トイレ、浴室、キッチンの小窓など |
| 90cm × 180cm以内 (掃き出し窓サイズ) |
40,000円 〜 65,000円 | ベランダへの出入り口、リビングなど |
| 90cm × 180cm以上 (特大サイズ) |
70,000円 〜 要見積もり | 店舗のショーウィンドウ、大型のFIX窓など |
現場での実感として、一番ご依頼が多いのは90cm×180cm程度のベランダの掃き出し窓です。このサイズになると、ガラス自体の重量が30kg近くになることもあり、一人での運搬や施工が非常に困難になるケースがあります。特に網入りガラスは重量があるため、安全確保のために作業員が2名体制になることがあり、その場合は人件費が追加されることもあります。
網入りガラスの種類(クロス・ヒシ・タテ)による価格差の傾向
網入りガラスと一口に言っても、実は中に入っているワイヤーの模様によっていくつかの種類に分かれています。代表的なものは以下の3種類です。

- ヒシワイヤー(菱形):ワイヤーが斜めに交差してひし形の網目になっているタイプ。最も普及しており、在庫を抱えている業者も多いです。
- クロスワイヤー(井桁):ワイヤーが縦横に垂直に交差して、四角い網目(井桁状)になっているタイプ。デザイン性が高く、マンションなどでよく見かけます。
- プロテックス(縦線):ワイヤーが縦方向にのみ一定の間隔で入っているタイプ。「線入りガラス」とも呼ばれます。
これらの種類によって、交換費用に大きな差が出るのかというと、実はガラス自体の材料費としてはそこまで極端な価格差はありません。しかし、現場のプロ目線でお伝えしたい重要なポイントがあります。それは、「在庫の有無」による対応スピードと手間の違いです。
ヒシワイヤーは非常に一般的なため、私たちガラス業者の作業車には常に数枚積まれていることが多いです。そのため、現場で採寸してその場でカットし、即日交換できる確率が高いです。一方で、クロスワイヤーやプロテックス、あるいは片面がすりガラス状になっている「型板網入りガラス」などは、常に全サイズを車に積んでおくことが難しく、メーカーや問屋からの取り寄せになるケースがあります。
取り寄せになると、即日対応ができず、仮ふさぎ(応急処置)をして後日再訪問となるため、結果的に作業工程が増えて費用が若干割高になることがあります。また、透明な網入りガラス(磨き網入りガラス)は、表面を平滑に研磨する工程があるため、不透明な型板網入りガラスよりも材料費が高く設定されています。ご自宅の割れたガラスがどのタイプなのか、見積もりの際によく確認しておくことをおすすめします。
【注意】正確な見積もりを出すためのポイントと現場の実情
インターネット上で「ガラス交換 最安値◯◯円〜!」といった広告を見かけることがあると思います。しかし、網入りガラスの交換において、電話やメールだけで完璧に正確な見積もりを出すことは、現場を知る人間からすると非常に困難です。なぜなら、現場には想定外の「設置環境による差」が潜んでいるからです。

先日もこんなことがありました。お電話で「1階の90センチ角の網入りガラスが割れました」と伺い、標準的な料金をお伝えして現場へ急行しました。しかし到着してみると、たしかに1階ではあるのですが、窓枠のすぐ外側に巨大な室外機と物置が隙間なく設置されており、外側からサッシを外すことが物理的に不可能な状態だったのです。内側から外そうにも、窓枠が経年劣化で歪んでおり、大掛かりな取り外し作業が必要になりました。また、ガラスを固定しているのがゴムパッキンではなく、ガチガチに硬化したシリコンコーキング材だったため、古いコーキングをカッターで削り落とし、新しいガラスを入れた後に再度コーキングを打ち直す作業(シール工事)が発生しました。
このように、サッシの劣化具合、固定方法(コーキングかゴムパッキンか)、搬入経路の有無、足場が必要な高所作業(段窓や吹き抜けのFIX窓など)といった設置環境によって、作業の難易度や所要時間が劇的に変わります。
- ガラスの縦と横の正確なサイズ(サッシの枠の内側ではなく、少し隠れている部分も考慮)
- ガラスの種類(透明か不透明か、ワイヤーの模様は何か)
- 設置場所(何階のどの部屋か、足場は安定しているか)
- ガラスの固定方法(ゴムパッキンか、コーキング材か)
また、「時期・繁忙期による変動」も無視できません。冬場の冷え込みが厳しい時期は、網入りガラス特有の「熱割れ」が多発するため、ガラス業者の繁忙期となります。台風シーズンも同様に飛来物による破損依頼が殺到します。こうした繁忙期は、希望の日時に予約が取りづらくなったり、特急料金が加算される場合もあるため、割れたらできるだけ早く、複数の業者に現場を見てもらった上で正式な見積もりを出してもらうことが、トラブルを防ぐ最大の防御策となります。
網入りガラスの交換費用を安く抑えるコツは?
網入りガラスの交換費用を安く抑えるには、火災保険の活用と複数業者での相見積もりが効果的です。特に熱割れや自然災害による破損は保険適用になるケースが多く、自己負担を大幅に減らせるおそれがあります。極端な格安業者には注意し、作業費や処分費がすべて含まれた総額で比較検討が必要です。
「予想以上の出費になりそうで頭が痛い…」現場で肩を落とすお客様の姿を見るのは、プロとしても心苦しいものです。網入りガラスは構造上どうしても一定のコストがかかるため、一般的な一枚ガラスのようには安く済まないのが現実です。しかし、諦めるのはまだ早いです。実は、ちょっとした知識を持っているだけで、最終的な手出しの費用を劇的に抑えることができる方法がいくつか存在します。ここでは、現場で多くのお客様が実際に活用して喜ばれた「費用を安く抑えるための具体的なコツ」を、プロの目線から包み隠さずお伝えします。
火災保険が適用されるケースと申請のポイント
網入りガラスの交換費用を最も効果的に抑える(あるいは実質ゼロにする)方法が、ご加入の「火災保険」や「家財保険」を活用することです。「えっ、火災じゃないのに保険が使えるの?」と驚かれるお客様が非常に多いのですが、実は多くの火災保険には「不測かつ突発的な事故(破損・汚損)」や「風災・雪災・ひょう災」をカバーする特約が付帯されています。

網入りガラスで特に多いのが、以下の2つのケースです。
- 熱割れ:冬場の晴れた日などに、ガラスの中で温度差が生じてピキッと自然にヒビが入る現象です。網入りガラスは内部の金属ワイヤーが熱を持ちやすいため、この熱割れが非常に起こりやすいのです。多くの保険会社では、この熱割れを「不測かつ突発的な事故」として保険金の支払い対象にしています。
- 自然災害(風災・飛来物):台風や強風で外から石や看板が飛んできて割れた場合です。これも風災として認定されやすいです。
現場での小話をひとつ。ある冬の朝、リビングの大きな網入りガラスにサーッと一本の長いヒビが入っているのを発見したお客様からのご依頼でした。お客様は「子供がおもちゃでもぶつけたのかしら…」とご自身で修理代を全額払うつもりでいらっしゃいました。しかし、ヒビの入り方(サッシの縁から直角にヒビが入り、蛇行している)を見ると典型的な「熱割れ」でした。私が「これは熱割れなので、火災保険が使えることもありますよ。一度保険会社に確認してみてはいかがですか?」とお声がけしたところ、なんと全額保険でカバーでき、お客様は涙ぐんで喜んでおられました。
保険を申請するためには、「割れた状態の写真」と業者からの「見積書(または請求書)」が必須となります。慌てて自分でガラスを片付けたり、すぐに修理を済ませて証拠を消してしまうと、保険が下りなくなるリスクがあります。まずは現状の写真を様々な角度から複数枚撮影し、保険会社に連絡して指示を仰ぐことが最優先です。
ただし、「経年劣化によるサビ割れ」と判定された場合は、保険が適用されないケースもあります。このあたりの判断は保険会社の査定担当者によりますので、まずはダメ元でも申請してみることを強くお勧めします。
相見積もりを取る際の注意点と業者の選び方
保険が使えない場合、純粋に自費で支払うことになります。その際、少しでも安く済ませようとインターネットで検索し、「業界最安値!ガラス交換3,000円〜!」といった目を引くキャッチコピーに飛びついてしまう方がいます。しかし、現場のプロとして断言しますが、網入りガラスの交換が数千円で完結することは100%あり得ません。

極端に安い金額を提示している業者の多くは、「ガラス代のみ」あるいは「出張費のみ」の最低金額を記載しているだけで、いざ現場に呼ぶと「このサイズは特別料金です」「高所作業費がかかります」「廃材処分費は別です」と次々に追加料金を上乗せし、最終的には相場よりもはるかに高額な請求をしてくるという悪質なトラブルが後を絶ちません。私が以前対応したお客様も、他社で「5,000円でやります」と言われて呼んだら、現場で「網入りガラスは特殊だから8万円かかる」と威圧的に言われ、怖くなって断り、私どもにSOSの電話をかけてこられました。私どもが適正な相場の3万5千円で施工したところ、「あの業者は何だったんだ…」と呆れていらっしゃいました。
費用を適正に安く抑えるためには、面倒でも「必ず2〜3社から相見積もりを取る」ことが鉄則です。その際、以下の点に注目して業者を選んでください。
- 総額提示かどうか:ガラス代、作業費、出張費、処分費など、すべてを含んだ「コミコミの総額」で見積もりを出してくれるか。
- 見積もり後の追加料金なしを明言しているか:現場を見た後に出した見積もりから、作業後に金額が上がらないことを約束してくれるか。
- 対応の誠実さ:電話の段階で、サイズや状況を細かくヒアリングし、概算でも現実的な相場(数万円程度)を正直に伝えてくれるか。
「最安」という言葉の魔力に惑わされず、根拠のある適正価格を提示する誠実な業者を選ぶことが、結果的に最も安く、そして安全に修理を終えるコツです。
熱割れやサビ割れを防ぐ日常のメンテナンス
交換費用を安く抑える究極の方法は、「そもそも割れないようにする」ことです。網入りガラスは、物理的な衝撃がなくても「熱割れ」や「サビ割れ」で自然に割れてしまう宿命を持っています。しかし、日常のちょっとした心がけで、そのリスクを大幅に減らすことができます。

熱割れを防ぐためには、ガラスに温度差を生じさせないことが重要です。現場でよく見かける熱割れの原因ワースト3は以下の通りです。
- ガラスのすぐ近くに家具やカーテンを密着させている:熱がこもり、その部分だけ異常に温度が上がってヒビが入ります。
- ガラスにポスターやシール、断熱シートを貼っている:網入りガラスに市販のプチプチ断熱シートや遮熱フィルムを貼るのは絶対にNGです。熱を吸収してしまい、高確率で熱割れを起こします。
- エアコンの風が直接ガラスに当たっている:室内の冷気(暖気)と外気の温度差が急激になり、ガラスが耐えきれなくなります。
また、「サビ割れ」も厄介です。サッシの下部に結露の水が溜まり、ガラスを固定しているゴムパッキンやコーキングの隙間から内部に水が浸入すると、ガラスの中の金属ワイヤーが錆びて膨張し、ガラスを内側から破壊してしまいます。これを防ぐためには、冬場の結露をこまめに拭き取ることと、ゴムパッキンにカビが生えたりヒビ割れたりしているのを見つけたら、早めにパッキンだけを交換(打ち替え)することが非常に効果的です。日々の少しのメンテナンスが、数万円の交換費用を浮かす最大の節約術と言えるなります。
網入りガラスが割れたらどうする?安全な応急処置と注意点
網入りガラスが割れた際は、絶対に素手で触らず、厚手の手袋と靴を着用して安全を確保してください。破片の落下を防ぐため、割れた部分に布ガムテープやダンボールを貼って補強するのが有効です。網入りガラスは重量がありサッシからの取り外しも危険なため、DIYでの交換は避け、速やかに専門業者へご依頼ください。
「バシャーン!」という音とともにガラスが割れた瞬間、誰しもがパニックに陥ります。特に夜間や悪天候の時に割れてしまうと、「泥棒に入られたらどうしよう」「雨風が吹き込んで部屋がめちゃくちゃになってしまう」と焦り、無理をして自分でなんとかしようとする方が後を絶ちません。しかし、ガラス修理の現場を数え切れないほど見てきた私から言わせれば、割れたガラスほど恐ろしいものはありません。ここでは、プロが到着するまでの間に、お客様ご自身が安全に行える正しい応急処置の方法と、絶対にやってはいけないNG行動について詳しく解説します。安全第一のスタンスを崩さず、落ち着いて対処してください。
飛散防止テープやダンボールを使った安全な処置
網入りガラスの最大の特徴は、内部にワイヤーが入っているため、割れても破片がバラバラに飛び散りにくい(飛散防止効果がある)という点です。そのため、ちょっとしたヒビ(熱割れなど)であれば、すぐに破片が崩れ落ちてくることはありません。しかし、油断は禁物です。ドアの開け閉めの振動や強風によって、ヒビが急激に広がり、重たいガラスの塊がドスッと落下してくる危険性が常に潜んでいます。

業者が到着するまでの間、安全を確保するための応急処置の手順は以下の通りです。
- 身の安全の確保:まずは落ち着いて、スリッパや底の厚い靴を履いてください。目に見えない細かいガラスの粉が床に落ちているおそれがあります。また、軍手ではなく、手のひら側がゴムでコーティングされた厚手の手袋(防刃手袋がベスト)を着用します。
- 大きな破片の回収:すでに床に落ちている大きな破片があれば、トングやほうきを使って慎重に集め、新聞紙や厚手のダンボールで何重にも包んで「キケン・割れガラス」と赤字で書いて安全な場所に保管します。絶対に素手で拾ってはいけません。
- ヒビの補強(テーピング):サッシに残っているガラスにヒビが入っている状態なら、それ以上ヒビが広がらないようにテープで補強します。セロハンテープは強度が弱いためNGです。粘着力が強く水にも強い「布ガムテープ」を使用してください。ヒビに沿ってテープを貼り、さらにその上から「米」の字や「×」の字になるように大きくテープを貼ってガラス全体をホールドします。
- ダンボールでの目隠し・防風:ガラスが完全に抜け落ちてぽっかり穴が空いてしまった場合は、ゴミ袋を切り開いてテープで貼り、その上から窓枠のサイズに合わせてカットしたダンボールをガムテープでしっかりと固定します。これで雨風の吹き込みや、外からの視線を一時的に防ぐことができます。
現場でお客様の応急処置を拝見すると、時々、割れた部分に瞬間接着剤やコーキング材を大量に塗りたくっている方がいらっしゃいます。お気持ちはわかりますが、これはプロがサッシからガラスを取り外す際に非常に手間がかかり、かえって作業時間が延びてしまう原因になるため避けていただきたいです。あくまで「テープとダンボールで物理的に塞ぐ」というシンプルな処置に留めておくのが正解です。
DIYでの交換は危険?プロが推奨しない理由
近年、YouTubeなどの動画サイトで「窓ガラスを自分で交換してDIYで安く済ませた!」という動画をよく見かけます。たしかに、小さな木枠の薄い透明ガラス程度であれば、器用な方ならDIYで交換できることもあります。しかし、網入りガラスのDIY交換は、プロの立場から「絶対にやめてください」と強く警告します。
その理由は、大きく分けて3つあります。
第一に、「圧倒的な重量と取り扱いの難しさ」です。前述の通り、網入りガラスは標準で6.8mmの厚みがあります。90cm×180cmの掃き出し窓サイズになると、ガラス単体で30kg近い重さになります。これを素人の方が一人で持ち上げ、サッシの細い溝にミリ単位の精度ではめ込むことは至難の業です。少しでも角を硬い床にぶつければ、その瞬間に全体にヒビが走り、数万円の新しいガラスが一瞬でパーになってしまいます。
第二に、「サッシの分解と組み立ての複雑さ」です。現代のアルミサッシは、ドライバー1本で簡単に外れるような単純な構造をしていません。隠しビスや外れ止め金具、戸車など、複雑な部品が絡み合っています。無理にこじ開けようとするとサッシの枠自体が歪んでしまい、ガラスだけでなくサッシごと全交換(数十万円コース)という最悪の事態になりかねません。現場でも、「自分でやろうとしてサッシを壊してしまった」というレスキュー依頼が後を絶ちません。
第三に、そして最も重要なのが「切創(ケガ)のリスク」です。ガラスの断面はカミソリのように鋭利です。プロは専用のガラス吸盤や防刃具を使い、重心を計算して安全に運びますが、慣れない方が素手や軍手で扱うと、手首や腕の動脈を深く切ってしまう大事故に直結します。網入りガラスにはワイヤーが入っているため、割れた断面から金属の針金が飛び出しており、これが皮膚をえぐるように傷つけるため非常に危険なのです。
ガラス交換は、材料費をケチって命や体を危険に晒すような作業ではありません。重い、危ない、難しいの三拍子が揃った網入りガラスの交換は、無理をせず、確かな技術を持った専門業者へお任せください。
よくある質問:網入りガラスの交換について
ここでは、現場でお客様からよく寄せられる「網入りガラスの交換に関する疑問」について、プロの視点からわかりやすくお答えします。
賃貸物件で網入りガラスが割れた場合の費用負担は?
賃貸物件で網入りガラスが割れた場合、熱割れやサビ割れなどの自然発生的な破損であれば、原則として貸主(大家さんや管理会社)が費用を負担します。ただし、入居者の過失による破損の場合は自己負担となるため、まずは管理会社へ連絡してください。
賃貸アパートやマンションにお住まいの方から、「自分が費用を払わなければならないのか?」というご相談をよく受けます。結論から言うと、「割れた原因」によって負担者が変わります。網入りガラス特有の「熱割れ」や「経年劣化によるサビ割れ」、あるいは「台風での飛来物」など、入居者に全く落ち度がない不可抗力による破損であれば、建物の設備維持義務は大家さんにあるため、修繕費用は大家さん(または管理会社)が負担するのが一般的です。
一方で、「模様替え中に家具をぶつけた」「子供がおもちゃを投げて割った」など、入居者の不注意(過失)による破損の場合は、入居者自身の負担で直す必要があります。この場合でも、ご自身が加入している火災保険(借家人賠償責任保険など)が使えるケースが多いので、保険証券を確認してみてください。
いずれにせよ、勝手に自分でガラス業者を呼んで交換してしまうと、後から「指定の業者じゃなきゃダメだ」「勝手に直した費用は払えない」とトラブルになることがあります。割れたらまずは応急処置をし、速やかに管理会社や大家さんに連絡して指示を仰ぐのが鉄則です。
網入りガラスから普通のガラスへ変更することはできる?
建築基準法や消防法で「防火設備」として網入りガラスの設置が義務付けられている場所(延焼のおそれのある部分など)では、普通の透明ガラスへの変更は法律違反となるためできません。防火基準を満たす耐熱強化ガラス等であれば変更可能なことがあります。
「網が入っていると景色が見えにくいし、熱割れも面倒だから、普通の透明なガラスに変えてほしい」というご要望は、現場で本当によくいただきます。しかし、ほとんどのケースで「申し訳ありませんが、法律上できません」とお断りせざるを得ません。
網入りガラスが設置されている場所は、たまたまデザインで選ばれているわけではありません。建築基準法や消防法に基づき、隣の家が火事になった時に炎が燃え移るのを防ぐ「防火設備(延焼のおそれのある部分)」として、設置が義務付けられているのです。網入りガラスは、熱でガラスが割れてもワイヤーが破片を支え、炎が室内に侵入する(または外に噴き出す)のを一定時間食い止める重要な役割を担っています。
これを勝手に普通のフロートガラス(透明ガラス)に変えてしまうと、法律違反(既存不適格)となり、万が一火災が起きた際に被害が拡大するだけでなく、火災保険が下りなくなるなどの重大なペナルティを受けるおそれがあります。
どうしても網目がないガラスにしたい場合は、「耐熱強化ガラス(ワイヤレス防火ガラス)」という特殊なガラスに変更するという選択肢があります。これは網が入っていないのに防火設備として認定されている非常に優れたガラスですが、価格が網入りガラスの2倍〜3倍以上と非常に高額になります。ご予算と相談の上、専門業者に設置可能かどうか現地調査を依頼してみてください。
まとめ:網入りガラスの交換費用はいくら?現場のプロが教える相場と安く抑えるコツ
この記事では、網入りガラスの交換費用について、現場のプロとしての実体験を交えながら、相場や内訳、安く抑えるためのコツ、そして安全な応急処置の方法まで徹底的に解説してきました。
改めて、重要なポイントを振り返っておきましょう。
- 交換費用の相場:一般的な90cm角のサイズで約25,000円〜40,000円。サイズや設置環境(高所作業など)、サッシの劣化具合によって総額は変動する。
- 種類による違い:ヒシワイヤー、クロスワイヤー、プロテックスなどの種類があり、在庫状況によって取り寄せ対応となり費用や工期が変わることがある。
- 費用を安く抑えるコツ:熱割れや自然災害の場合は「火災保険」が適用できる可能性が高い。必ず複数業者から総額(コミコミ)の相見積もりを取り、極端な格安業者には警戒する。
- 割れた時の対応:絶対に素手で触らず、厚手の手袋をして布ガムテープやダンボールで安全に補強する。重量があり危険なため、DIYでの交換は絶対に避ける。
網入りガラスは、私たちの生活を火災の延焼から守ってくれる非常に重要な役割を持ったガラスです。その分、厚みがあり重く、熱割れなどの特有のトラブルも抱えていますが、正しい知識を持っていれば決して恐れることはありません。突然ガラスが割れてしまうと動揺してしまうのは当然ですが、まずは深呼吸をして安全を確保し、信頼できるガラス修理の専門業者に相談してください。
適正な費用で、確実かつ安全にガラスが元通りになり、お客様が再び安心して日常生活を送れるようになることを、現場のプロとして心から願っております。ガラスのトラブルでお困りの際は、いつでもお気軽にお声がけください。

