防音対策で窓ガラス交換以外に必要なこと

家の前を通る車の音が大きくて気になる、自分の家の生活音が周りに漏れていないか気になる、こんな悩みはありませんか?
騒音は時として大きなストレス、隣人トラブルの原因となる問題です。
賃貸住宅であれば引っ越してしまえばいい話ですが、自分の持ち家となるとそう簡単に引っ越すわけにはいきません。
ここでは防音で気をつけるべきポイント、対策について紹介していきます。
外から音が侵入するのは窓から

家は密閉されている空間のはずなのに、気になる音は一体どこから家の中に入ってくるのでしょうか。
壁や屋根、あるいは地面からも騒音は侵入してきます。
しかし実は音の出入りの一番の原因は窓からなのです。
家の中に光と風を運んできてくれる重要な役割を持った窓ですが、外壁と比べるとその防音性能はわずかに半分以下です。
音の大原則として、重量があり厚みがあるものほど音を通さない、つまり音は重さと厚さで遮断できるという特性があります。
窓ガラスは重いのですが、厚みがないために音を簡単に通してしまうのです。
そのため家の中にいる時に騒音が気になるのであれば、窓の防音対策をするのが一番効果的です。
実はガラスよりもサッシの隙間が問題

窓の防音対策をすると考えたときに、とりあえず窓のガラスを防音ガラスにすれば大丈夫だろうと考えてはいませんか?
結論から言うと、それだけでは騒音の解決はできません。
その理由は、窓から入ってくる騒音のほとんどはガラスを伝わって入ってくるのではなく、サッシの隙間を縫って入ってくることの方が断然多いからです。
窓はサッシと窓ガラス、この2つの組み合わせで出来ています。
その構造のせいでどうしても隙間ができやすく、そこから音の侵入を許してしまうのです。
当然ですが窓ガラスの防音効率を引き上げるというのも重要だと言えますが、それに合わせてサッシの防音効率を見直すということも重要だと言えます。
まずはサッシの隙間対策が重要

サッシには窓をスムーズに開け閉めできるように、必ず隙間ができています。
外から見ただけではわかりませんが、窓枠とサッシが外れないように中ではめ込み式のようにレールにはまっています。
ここから音が出入りするということは、サッシの隙間を埋めてしまえばある程度の騒音は防ぐことができるということなのです。
一番手軽にできるサッシの隙間対策は、サッシ用のスポンジまたは毛(モヘア)などをホームセンターで購入して取り付ける方法です。
価格もリーズナブルですし、取り付けもそれほど難しくはないので個人で行うことができます。
また防音性の高いカーテンも販売されているので、これを窓に隙間なく取り付ければ防音効果が期待できます。
もう少し静かになればいいな、といった少しの防音対策であれば上記の対策でも対応可能でしょう。
網ガラスに防音シートは割れの原因に

防音対策で手軽に使用できるグッズに防音シートがありますが、使用する上で注意してほしいことがあります。
網ガラスというのは防音のシートを貼り付けると熱割れの引き金になる事もあります。
窓のガラス熱割れと言うのは、強い陽射しを貰ったガラスが膨張し許容強度を超えることにより勝手に壊れる状態です。
そもそも網ガラスは鉄のワイヤーがガラスの中に入っているので、ワイヤーの膨張・錆などでガラスの許容強度が通常の窓ガラスよりも低いといえます。
そこに防音シートを貼るとさらに許容強度が低くなり、より熱割れを起こしやすくなるので注意が必要です。
防音対策には内窓が確実

しっかりと防音対策を行いたい人は窓のリフォームが必要になってきます。
サッシから音が入ってくるのであれば、今のものを防音性の高いサッシに交換すればいいと思われるかもしれませんが、サッシの交換は大変です。
サッシは壁の中にもぐりこむようにして取り付けられており、交換となると壁や床の一部を取り壊す必要があるので、時間もかかりますしその分価格も上がってしまいます。
簡単に防音対策ができる方法としておすすめなのが、今ある窓をそのままにして内窓を設置する方法です。
二重窓の設置であれば1窓1時間ほどで作業ができますし、今ある窓の木枠部分にとりつけるので壁や床を壊す必要もありません。
元からあるアルミサッシの防音性能が低くても、後から取り付ける二重窓の機密性が高ければ音は家の中に入ってきません。
また二重窓を取り付ければ断熱性能もアップするので、冬の結露、結露から発生するカビなども防ぐことができるので嬉しい効果ばかりです。
外窓を設置する

防音・断熱に効果のある内窓ですが、残念ながら設置が難しい場所があります。
それは和室などに多い掃き出し窓の場合です。
和室に内窓を設置してしまうと、内窓のサッシが畳の上までせり出してしまうため畳を上げることができなくなってしまうのです。
そんな場合に有効なのが、二重窓を外に設置する外窓。
外窓は内窓と同様の効果を発揮しますし、和室の掃き出し窓でも大丈夫です。
しかし、家の外観が変わってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。
また2階以上の高所に外窓を設置する場合は、足場などを組まなければいけないので作業が大変になりますし、外に足場が組めるスペースも必要になってきます。
防音ガラスにリフォーム

内窓も外窓も家の構造から設置ができない、別の方法で防音対策をしたいという方におすすめなのが窓ガラスを防音ガラスに交換する方法です。
二重窓は防音・断熱にとても有効ですが、窓の開け閉めをするときに必ず2回開閉する必要があるので手間がかかります。
しかし防音ガラスであれば今ある窓ガラスを防音性能の高いものに変えるだけなので、そのような手間はないですし、家の見栄えも変わりません。
防音ガラスのデメリットは二重窓よりも防音・断熱性能が劣るということですが、施工する場所を選場ないのでどの窓にでも使用できます。
防音ガラスで断然イチオシなのは真空ペアガラスです。
真空ペアガラスとは、複層ガラスの一種で2枚に合わさったガラスの間に魔法瓶のように真空層を設けているので音・熱をシャットアウトしてくれる高性能の窓ガラスです。
また、ガラスの厚さが普通の窓ガラスと同じくらい薄いので、今使用しているサッシを交換することなく窓ガラスのみを取っ替えられる事がメリットでもあります。
しかしサッシが古く気密性が悪くなっている場合などは、ガラスの性能を十分に発揮できないことがあるので注意が必要です。
まとめ
色々な防音対策について見てきましたが、それぞれの方法に向いている場所や設置できない場所があることがわかっていただけたと思います。
場所や状況によって、あなたの家にあった最適な防音方法を選部ことが大切です。
日々ストレスなく快適な環境で生活するためにも、家の防音対策をしてみるのはいかがでしょうか。


















